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(2015年12月5日)
「湯もみ」や「草津節(草津よいとこ いちどは おいで)」で知られる草津温泉は、草津白根火山からわき出した温泉を利用しています。pHが2前後と、非常に強い酸性を示すことが特徴です。また2014年6月以来火山活動が活発化し、山頂付近の湯釜火口から1km以内には立入規制がかけられています(草津の温泉街は山頂から5kmなので、規制の影響はほとんどないようです)。
今回は草津で最大の湧出量を持ち、かつ最も高温(94℃)の源泉である万代鉱で温泉水と、噴気地帯の殺生河原で火山ガスを採取しました。どちらも通常は立入禁止の場所ですので、東京工業大学・火山流体研究センターの寺田暁彦博士にご協力をお願いしました。
草津白根火山の東山麓にほぼ水平に掘られたトンネル(本来は硫黄の採掘のために掘られたそうです)の奥から湧き出している万代鉱の源泉は、そのままでは高温すぎるため、トンネルの出口から数100m離れたこの池に一度溜めて少し冷まし、さらに1kmほど下流の施設で上水の温水を作るのにその熱を使って、適度に冷めた温泉水(それでもまだ50℃以上)として一般家庭や旅館で利用されているそうです。
火口から2km離れた殺生河原では、あちこちから高温(90℃以上)の火山ガスが噴出し硫黄が析出しています。その吹き出し口のうちの一つから火山ガスを採取しました。
参考文献: 上木賢太, 寺田暁彦 (2012) 草津白根火山の巡検案内書. 火山, 57, 235-251.
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