隕石のI-Xe年代測定

I-Xe年代測定では129Xe*/127Iを精度よく求めるために127Iに中性子を照射して一部をXeに変えます。

127I (n, γβ-)128Xe・・・(2)

試料に中性子を当てると様々な短半減期核種が生成されるため、試料は放射線を放出するようになります。こうした試料は放射線管理区域内でしか扱えません。

さて、127Iから128Xeへの変換率をkとすれば、

129Xe*/k127I=129Xe*/128Xe*128Xe*:127Iからできた128Xe)

と表せます。

次に129Xe*/128Xe*の求め方です。一般的には、隕石を段階的に加熱していき、それぞれの温度で放出されたXeの同位体比を測定します。(下図)

検出される128Xeと129Xeは、127Iと129I起源のもの(128Xe*,129Xe*)と隕石がもともと持っていた捕獲成分(129Xetrap,129Xetrap)からなります。

これを使うと次のような式が導かれます。

ここで129Xe/132Xe128Xe/132Xeは上図の縦軸と横軸に相当しますから、傾きが求めるべき129Xe*/128Xe*となるのです。

129Xe*/128Xe*129Xe*/k127Iですが、実際にはkを求めることは困難です。そこでI-Xe年代測定では年代が既知の試料を年代標準(std)として一緒に中性子照射し、kをキャンセルアウトします。従って、得られる年代は標準試料との相対年代(tsample−tstd)となり、壊変定数(4.41×19-8/年)を使って表すと、以下のようになります。

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