隕石のI-Xe年代測定

129Iは半減期1570万年で129Xeに壊変します。

129I→129Xe+β-・・・(1)

太陽系が生まれてから現在までは約46億年経過したといわれています。129Iの半減期1570万年に比べるととても長いです。なので129Iは今はとっくに無くなっています。そういう核種をを消滅核種と呼びます。

129Iは下図のように指数関数的に放射壊変して減少していきます。

元素核合成終了時(time=0)には[129I]0あった129Iも、どんどん減っていっていつかは0になりますが、0になる前のある時(time=t)に隕石に取り込まれて 身動きできない状態(閉鎖系)になったとします。するとその場で(1)の反応が起こるのです。

129Xeは安定ですから、その後大規模な加熱や変成がなければ現在まで残ります。始原的隕石の中によく残っています。 129Xeの量から129Iの量がわかり、tがわかるというわけです。これがI-Xe年代系のおおまかな原理です。

実際は量ではなく、安定核種127Iとの比として扱います。つまり現在測定すべき値は129Xe*/127Iというわけです。 (129Xe*:129I由来の129Xe)

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