隕石のI-Xe年代測定

消滅核種129I(半減期1570万年)とその娘核種129Xeを利用したI-Xe年代は太陽系の歴史を知る上で重要な情報源です。我々の研究室では国内で唯一、このI-Xe年代測定ができます。

RIセンター写真

装置の概略は以下のようになっています。

抽出・精製・標準ガス系は金属でできており高温での焼き出しができるようになっています。内部はターボ分子ポンプ などから成る排気系により10-8〜10-9Torrの超高真空に保たれており、低ブランクでの同位体分析が可能です。 質量分析計にはイオンカウンティング(イオンが到着した際に生じる電気的パルスの数を数える)式の検出器が付いており、微量なXeも 高感度で分析できます。

Xeの抽出には抵抗加熱炉(全岩加熱)またはアルゴンレーザー(局所加熱)を使用します。精製系で活性ガスなどを 取り除いたあと、質量分析計に導入して同位体分析を行ないます。全希ガス同位体の測定が可能ですので、40Ar-39Ar年代 の測定にも利用しています。

詳しくはこちらをご覧ください。
Ebisawa N., Sumino H., Okazaki R., Takigami Y., Hirano N., Nagao K., and Kaneoka I. 2004. Construction of I-Xe and 40Ar-39Ar dating system using a modified VG3600 mass spectrometer and the first I-Xe data obtained in Japan. Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan 52:219-229.

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